岡野岬石の資料蔵

岡野岬石の作品とテキスト等の情報ボックスとしてブログ形式で随時発信します。

「 『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18 」 一覧

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『坂本繁二郎』画集 集英社より

■しかし、かいた絵は(私)です。私そのもので、自然ではありません。私は一生絵をかいて生きてきたことを、しあわせに思っています。(90㌻) ■物の存在を認める事に依って、自分も始めて存在する。(131㌻ …

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『文読む月日』(中)トルストイより

■すべての他者のなかに、生きとし生けるもののなかに自分自身を認め、自己の生命を通じて生きとし生けるものと合流する者は、死に際して自己の存在のほんの一部をうしなうだけである。(ショーペンハウエル)(44 …

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『腕一本・巴里の横顔』藤田嗣治より

■お若いからこれから先遊んでおいでの時間もたんまりおありだが、私みたいな年寄りは遊んでる時間に月日をとられては、もう生きてる時間がなくなる。誘わないで下さい。お相手しないのはその為です。(243㌻) …

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『カーヴァーズ・ダズン』レイモンド・カーヴァー(村上春樹編・訳)より

■おしまいの断片 たとえそれでも、君はやっぱり思うのかな、 この人生における望みは果たしたのかと? 果たしたとも。 それで、君はいったい何を望んだのだろう? それは、自らを愛されるものと呼ぶこと、自ら …

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『アイロンをかける青年』千石英世より

■「私」からの逃走と伝統の革新を標榜するエリオット的詩学とは逆行し、詩に「私」を発見した詩人達である。ロバート・ローウェル、ジョン・ベリマン、シルビア・プラース、アン・セクストン。これらの詩人達の「私 …

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『ウィトゲンシュタインのウィーン』S.トゥールミン+A.ジャニクより

■ケンブリッジの若い急進派は分析による哲学の改革に着手していたのに対して、ウィーンの実証主義者は科学理論においてその価値を既に立証しつつあった方法を一般化することによって、哲学を改革する決心をしていた …

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『宿命』萩原朔太郎より

■「父と子供」 あはれなる子供が、夢の中ですすり泣いて居た。 「皆が私を苛めるの、白痴(ばか)だって言うの」 子供は実際に白痴であり、その上にも母が無かった。 「泣くな。お前は少しも白痴じゃない。ただ …

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『象が空を』沢木耕太郎より

■あるいは、私たちが日常的に行なっている「ノンフィクションを書く」という行為も、本来は極めて古臭くフィクショナルなものとして印象されるストーリーを、いくつかの固有名詞、いくつかの数値で、危うくリアリテ …

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『マチスの肖像』ハイデン・ヘレ-ラより

■マチスはこう述べている。「自然は非常に美しいので、私はただそれを出来るだけ単純に再現するだけでよい。私は心惹かれる対象の前に身を置き、対象に自分を一体化させ、それをカンヴァスに写し取ろうと試みるので …

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『龍樹』中村元より

■初期仏教における「…であるありかた」としての法が、有部によって「…であるありかたが有る」と書き換えられたのである。「である」から「がある」へ、essentiaからexistentiaへと論理的に移っ …