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(22)歴史の真相

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(22)歴史の真相(108頁)

それにしても、世界全体としてはきちんとうまく行っているのだ。この程度で終わっている。昔から戦争はあったし何人かは災害にも遭うし、理不尽な死に方をする人もいるし、しかし、そういうのは身の不幸と思うしかない。それでも自分の持ち分をしっかりと生きていけば、全体としても良くなるし幸せになる。そこで「自分だけ」というのが、自分と他人のラインを引いて自分を設定するところがいけない。

これらの話は僕が言うのでなく、日本にずっと続いてきた、日本ではごく当たり前の、世界のなかでも非常に珍しい世界観である。これをなんとか広めたい。もう本当に素晴らしいのだ。だからこそ日本は不滅で、だからこそ生き残っているではないか。原爆を2発落とされ、東京を含めて各都市を無差別に空襲されて虐殺され無条件降伏して、しかし戦後70年で再び世界のトップになっている。

これは昔の人の素晴らしい遺産である。戦争中の日本軍のモラルの高さとか、戦争の仕方がそうだ。あんな戦争の仕方をしたのは日本だけだろう。なぜならどこの国とも闘っていないのだ。闘った相手はイギリスでありロシアであり、現地を支配している国と闘ったのである。むしろ解放してくれて、国境を接する隣国を除いて感謝されているではないか。それがないと第二次世界大戦後のアジヤ各国の独立などは、まだまだ遅れていただろう。

今回も南京大虐殺の誤報が明らかになった。いろんな真相がネットでも出てきて、僕はホッとしたが、出る前は「そうは言ってもどこかでやっているのではないか?」などと、どこかで思ってしまう。日本が勝ったときは、捕虜たちにひどいことをしたのではないかという疑念。それをやったかのように言った人たちがいた。捏造して補償金を取ろうという、そのお金を日本側で工作した人達と山分けしようという構造である。慰安婦捏造問題と同じで、補償金ビジネスである。裏側は人間の欲望の記号であるお金が目的なのに、それを人権やモラルで隠蔽して捏造を広める。しかし、そういうことが一件もなかったというのだから、ありがたいね。日本の軍隊では、決してモラルに反することはなかった。強姦したとしたら裁かれたし、細菌部隊というような捕虜に毒別兵器の実験をしたという事実もなかった。小説家の森村誠一氏の『悪魔の飽食』の中で書いた731部隊とかのような中国人捕虜の話は、そんなのはなかった。生物兵器は、そんなものがあったら自分の部隊が危ないのだからありっこない。韓国軍の兵士がベトナムでやったような行為は、日本兵はやらないし出来ないだろう。日本人なら、そんな状況と、相手の気持ちを考えたら、強姦しようという気持ちが興らないし出来ない。だって日本人の男だったら、恐怖と不安におののいている女性を、無理矢理に強姦しようとしても男性性器が勃起しないから出来ない。日本人には、凌遅刑(りょうちけい)、宦官、纏足等の残酷でグロテスクな行為は出来ない。

真相は軍の衛生管理をする部隊が研究をしていたのに、細菌を培養して生物兵器を作っていたとか捕虜を細菌兵器の生体実験に使ったとかなんとか言われた。一時、朝日新聞の連載小説かでも読んだ記憶がある。そんな話も今になって真相が出てくる。沖縄戦の集団自決事件もあり、大江健三郎氏が訴えられていて大江氏は無罪になったが、裁判の過程でいろいろと曝かれた。つまり集団自決問題で、集団自決を軍が命令したとされた赤松隊長という人の、渡嘉敷島の事件があった。

その人物は認めたとされたのであるが、認めたという意味は、自決を軍が命令したとすると住民たちに補償金が出るからで、役場や遺族に懇願され、それならばと軍の命令にしておいたらいいのではと隊長が暗黙の了承をしたことが、後になってから沖縄の新聞社に叩かれた。当時のオピニオンリーダーだった大江健三郎氏の『沖縄ノート』にも、日本軍と赤松隊長の残虐非道ぶりを捏造して書かれ、赤松隊長はたいへん悔しいおもいのなかで、悲惨な老後を送った。しかしその後、沖縄の中でずっと押さえつけられていた情報が、インターネットのおかげで出てきた。情報の山のなかから、無償の行為で、掘り出しアップしてくれる人がいるのだ。時間はかかるけれど、結局歴史は真・善・美を残していくのだけれど、ネット社会は時間を縮めも空間を拡げた。ウソはすぐバレる。

真相はこういうこと。住民が、敵軍の上陸前に手榴弾をほしいと軍にやってきた。しかし赤松隊長は「戦うのは僕たちだから、君たちは隠れてやり過ごしてほしい」と言って追い返した。それだけで終わりの話だった。しかし、あとから数人がどこかから手に入れたもので自決した。その後、役場関係者等が、補償金が入るからという理由でそういうストーリーを作った。まあ、しかしそんなことをしても結局、真実には勝てない。真善美が残るのだから。どうやったって真理に勝てるものはないだろう。こうやって、ノーベル賞まで受賞した作家は晩節を汚し、イーベル賞自体の権威も落ちていく。この捏造事件に関わった、作家や出版社や新聞社や占領軍の、イデオロギーの衣に隠して、裏側に「欲望の記号」であるお金が欲しいという実体が、なんとも悲しく、情けない。

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