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『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

『宿命』萩原朔太郎より

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■「父と子供」

あはれなる子供が、夢の中ですすり泣いて居た。

「皆が私を苛めるの、白痴(ばか)だって言うの」

子供は実際に白痴であり、その上にも母が無かった。

「泣くな。お前は少しも白痴じゃない。ただ運の悪い、不幸な気の毒の子供なのだ」

「不幸って何?お父さん」

「過失のことを言うのだ」

「過失って何?」

「人間が、考えなしにしたすべてのこと、例えばそら、生まれたこと、生きていること、食ってること、結婚したこと。何もかも、皆過失なのだ」

『宿命』萩原朔太郎より2006年7月7日

-『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

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