岡野岬石の資料蔵

岡野岬石の作品とテキスト等の情報ボックスとしてブログ形式で随時発信します。

『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

『対談・文学と人生』小島信夫、森敦より

投稿日:

■それがコレスポンダンス、対応とか照応とかいうやつですよ。ここにある岩石が異物のように見えても、その画面のなかに別の岩石、別におなじ岩石でなくてもいいが、なにかが書かれることによって、相呼応して、そして響きを生じてくるということになると、エピソードもエピソードであることをなくすわけですね。(36㌻)

■あらゆる芸術を見てみると、ジャンルは二つあるんですね。そのジャンルは、黙っていても目にパっとくるジャンル、これは演劇なんかもそうですね。映画もそうですね。見たい意思がなくても、目さえあいておったらとにかく飛び込んで来る。…絵なんかもそうですね。音楽なんかもそうです。

ところが、小説というやつは、一枚一枚ページをめくっていくジャンルなんですね。そのために、どうもこういう大胆な試みというのはなかなかやっていけない。これは私考えてることですけれども、この小説というものにもまた非密蔽小説と密蔽小説の二つのジャンルがある。密蔽小説は外部と断絶して、外部を混入させぬことによって内部の純粋を保とうとするが、非密蔽小説というやつは、むしろ外部と接続させ、外部を内部に混入させることによって、内部に拡がりを持たそうとする。(288㌻)

■だいたい人生というのは“こんにちは”“さようなら”ですから、四の五のいったって。(382㌻)

■これは数学的にいいますと、AとBがあって、AがBに含まれ、BがAに含まれるとき、AとBはイコールだというんですね。(384㌻)

『対談・文学と人生』小島信夫、森敦より2006年5月24日

-『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

執筆者:

関連記事

no image

『哲学入門』 バートランド・ラッセル(高村夏輝訳)ちくま学芸文庫

■こうした色の違いが実生活で重要になることはほとんどないが、画家にとってはなによりも重要である。常識的に物の「本当の」色だと言われる色を、物は持つように見える、そう考える習慣を私たちは持っている。しか …

読書ノート(2011年)全

読書ノート(2011年)全 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 『プロティノス「美について」』 斎藤忍随・左近司祥子訳 講談社学術文庫 ■雑多なものと1つのもの。雑多なも …

『正法眼蔵(6)』増谷文雄 全訳注 講談社学術文庫

『正法眼蔵(6)』増谷文雄 全訳注 講談社学術文庫 梅 華(ばいか) ■開 題 この一巻が制作されたのは、、仁治四年(1243)十一月六日とある。ただし、仁治四年はその二月二十六日をもって改元されて寛 …

『善の研究』西田幾多郎著 全注釈小坂国継 講談社学術文庫

『善の研究』西田幾多郎著 全注釈小坂国継 講談社学術文庫 ■純粋経験を唯一の実在としてすべてを説明してみたいというのは、余が大分前から有(も)っていた考えであった。初めはマッハなどを読んでみたが、どう …

no image

『木田元の最終講義』 木田元著 角川ソフィア文庫

■それにしても、マッハの〈現象学〉の概念を継承したフッサールがその〈思考経済説〉を拒否したのは幾分奇異に思われましが、これには世紀転換期の特異な時代風潮が関わっているように思われます。この時期、一種の …