岡野岬石の資料蔵

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『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

『抽象絵画の世界』薗部雄作著 六花社

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■そしてこれをシュベングは、「なによりもまず素材としての物質からではなく、運動の相互作用から形態形成がなされるという可能性を理解すべきである」という。「素材を利用してこれを鋳造するものこそ、運動に他ならない」。すなわち作品をそうぞうするのも、まずはじめに素材を主体にして何かを形成するのではなく、運動ー〈精神・美〉が存在し、それが素材を周囲に呼び寄せ、秩序と律動があたえられるということである。くわえて、「こうした事実を正しく観察してはじめて、胚中にーあるいはさくひんにも、またたとえ細胞分裂をけんきゅうしても、それは理解することができないのである」と。成立させている素材や手法をいくら分析し研究してみても〈精神・美〉による形態創造の秘密を解き明かしたり、理解したりすることはできない。(149㌻)

■「われわれの肉体が形態化された流体であることには疑問の余地がない」:ノヴァーリス『断章』(赤井敏夫訳)(150㌻)

■ユイグはー原子からレンブラントへーとサブタイトルのある『かたちと力』で、古今東西の造形芸術に視線を向けながらも、つねに自然現象…原子から星の宇宙までを視野に入れ、とかく現代芸術の陥りやすい〈表現〉の短絡や廃棄、そして自然との乘離に注意をうながしながら綿密な造形論を展開している。この本を書くにあたってユイグは「わたしが知りたいと思っていたことは、芸術の研究から引き出した結論がいっそう広い射程を持つものではないかということ。つまり、芸術以外の領域においても同じように見いだされ、確認され得るものではないかということである」と。つまり「芸術すなわち、人間が創造し、仕上げ、洗練していったかたちと、もっとも奥深い有機的な現実とをふたたび結びつけなければという思い」であったと述べている。(163㌻)

■ゲーテは古典的なものを健康としてとらえ、ローマン的なものを病的なものとしてとらえていた。そして同時にシュベングの『カオスの自然学』のなかにでてくる〈炎のかたち〉に音響の与える影響を思い出す。つまり、よく調弦されたヴァイオリンの響きは火炎に均整のとれた古典的なかたちを与え、調弦の悪いヴァイオリンの響きは火炎のかたちにゆがみをみせ、なにか病的なおもむきを与えているのだ。(172㌻)

■あらためて注視すると、自然界における結晶への志向には驚異的なものがある。なにか物質のもつ根源的な意志を感じてしまう。スピノザは石が「衝撃によって空中を飛ぶとき、石に意識があれば、自分の意志で飛んでいるのだと考えるだろう」といった。ショーペンハウアーはその「石の考えていることは正しい」。そして「石において、仮定された状況のなかで、凝集力、重力、持続力として現象するものは内的本質の点から言えば、わたしがわたしのうちに意志として認識するものと同じである」といった。(176,177㌻)

■「マンダラとは[ミグパdmigs–pa]、すなわち精神の像(imago mentalis)であって、深い学識を備えたラマ僧のみが創造の力によってこれを形成することができる。マンダラには一つとして同じものはなく、個々人によって異なる。また僧院や寺院に揚げられているようなマンダラは大した意味をもたない。なぜならそれは、外的な表現にすぎないからだ。真のマンダラは常に内的な像である。それは心の平均が失われている場合とか、ある思想がどうしても心に浮かんでこず、経典をひもといてもそれを見出すことができないので、みずからそれを探し出さなければならない場合などに(能動的な)想像力によって徐々に心のうちに形作られるものである」(ユング『心理学と錬金術』池田紘一・鎌田道生訳)。(182㌻)

■タージリンの僧院長リンダム・ゴームチェーン師が語っていたではないか。「マンダラとは内的な像である」。そして、それは「ある思想がどうしても心に浮かんでこず、経典をひもといてもそれを見出すことができないので」、各人が「みずからそれを探し出さなければならない場合などに、(能動的な)想像力によって徐々に心のうちに形づくられる」ものであるのだ、と。そしてそれは、とくに「宗教ではない」(ムケルジー)。(188㌻)

『抽象絵画の世界』薗部雄作著 六花社 2007年2月8日

-『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

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