岡野岬石の資料蔵

岡野岬石の作品とテキスト等の情報ボックスとしてブログ形式で随時発信します。

『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

『金子光晴詩集』金子光晴 思潮社 現代詩文庫

投稿日:

■再三,僕が人に話すのは,芸術は活写なりというふるいことばである。あらゆる知性的な奇工は淪(ほろ)びても、活写だけは,芸術の力としてのこりうるのだ。トルストイの倫理的な苦悩よりも,『アンナ・カレーニナ』のなかの溌剌とした競馬場の馬の活写はのこるのだし、やはり、馬だが、ベラスケスの「ブレダ城の降伏」の馬の,尻の毛並みにうけている光線の活写は、アバンギャルドをしのぐ、時間を超えて人の心を感動させるものを持っている。(123㌻)

『金子光晴詩集』金子光晴 思潮社 現代詩文庫 2007年6月3日

-『仏陀』増谷文雄 著 角川選書ー18

執筆者:

関連記事

『月を見つけたチャウラ』ピランデッロ短編集 光文社古典新訳文庫

『月を見つけたチャウラ』ピランデッロ短編集 光文社古典新訳文庫 ■まわりに誰か人がいるとき、わたしはけっして彼女を見ることはない。しかし、彼女がわたしをみているのを感じる。彼女が見ている。一瞬たりとも …

【読書ノート(2017年)】

読書ノート(2017年) ―――――――――――――――――――――――――――――― 『道元「永平広録・頌古」』大谷哲夫 全訳注 講談社学術文庫 はじめに ■『永平広録』(十巻)は『正法眼蔵』と双璧 …

『生命の光』 712号

『生命の光』 712号 ■私たちは、果してモーセやキリストが祈られたほどに、祈っているかどうか。神の子イエスすらも、かく祈られた以上、生来の鈍根な私たちが、祈らずに霊性が向上したりするものですか。(『 …

no image

『ムッシュー・テスト』 ポール・ヴァレリー 清水徹訳 岩波文庫

■どうだろうきみ、ひどく怖い気がするんだけれど、わたしたちは、わたしたちを知らぬ多くのものによってつくられているのではないかしら。だからこそ、わたしたちはわたしたち自身を知らないのだ。もし、そういうも …

no image

かすがい(時空のゆがみ)

●かすがい(時空のゆがみ)  過去は過ぎ去らない。「今・ここ」に流れ込み、未来にも存在の因と縁は滅しない。そのことに、気付いた体験の話です。(2021年記) この話は今から何年前の出来事だったのだろう …