■再三,僕が人に話すのは,芸術は活写なりというふるいことばである。あらゆる知性的な奇工は淪(ほろ)びても、活写だけは,芸術の力としてのこりうるのだ。トルストイの倫理的な苦悩よりも,『アンナ・カレーニナ』のなかの溌剌とした競馬場の馬の活写はのこるのだし、やはり、馬だが、ベラスケスの「ブレダ城の降伏」の馬の,尻の毛並みにうけている光線の活写は、アバンギャルドをしのぐ、時間を超えて人の心を感動させるものを持っている。(123㌻)
『金子光晴詩集』金子光晴 思潮社 現代詩文庫 2007年6月3日
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■再三,僕が人に話すのは,芸術は活写なりというふるいことばである。あらゆる知性的な奇工は淪(ほろ)びても、活写だけは,芸術の力としてのこりうるのだ。トルストイの倫理的な苦悩よりも,『アンナ・カレーニナ』のなかの溌剌とした競馬場の馬の活写はのこるのだし、やはり、馬だが、ベラスケスの「ブレダ城の降伏」の馬の,尻の毛並みにうけている光線の活写は、アバンギャルドをしのぐ、時間を超えて人の心を感動させるものを持っている。(123㌻)
『金子光晴詩集』金子光晴 思潮社 現代詩文庫 2007年6月3日
執筆者:okanokouseki
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